7年熟成の米

2021年01月14日
2016年09月12日

目次

山形米の専門店 尾形米穀店・尾形雄司です。

さて、今日の本題です。

先週は新米の話でしたので、
今週は古米(「こまい」と呼びます)の話を。

◆7年熟成の古古古古古古古米

7年間も熟成させた古米(古古古古古古古米?)で、
500g/1,800円以上する高級米があるのをご存知ですか?

7年熟成させたお米。イタリア産の高級品種米・カルナローリ
イタリア産の最高級品種・カルナローリの7年熟成

イタリア産の最高級品種・カルナローリがそのお米で、
日本でも、1年物と7年物を購入する事ができるようです。

◆お米を熟成させるとどうなるのか?

 

先週のブログでもお話しした通り、
一般的なイメージとして、

  • 「新米 = 美味しい」
  • 「古米 = 美味しくなくなったお米」

というイメージが強いと思います。

でも、尾形米穀店のお客様でもおられるのですが、
東京都内にある、高級志向のお寿司やさんでも、

「新米ではなく、味の良い古米を送って欲しい」

と言うように、あえて、
熟成されたお米を好んで使う方もいます。

この「熟成されたお米=古米」には、
どんな特徴があるのでしょうか?

◆味 食感 粘り 香り↘ ツヤ

いつも通り、結論先出しで書きますね^^;

お米を玄米の状態で低温倉庫に保管し、
しっかりと管理した上で熟成させると…

  • お米の旨み 
  • お米の食感 
  • お米の粘り 
  • お米の香り 
  • お米のツヤ 

という効果が出てきます。

お米に限らず、他の食べ物でもそうですが、
熟成させると、お米の風味が強くなり、
澱粉質の変化で、米粒が潰れにくくなるので、
お米を噛んだ時の食感がしっかりしてきます。

また、粘りも少し弱まるので、
粘りが強いモチモチとしたお米は、食べる方の好み次第ですが、
今の時期の方が食べやすいと言えます。

逆に、香りや色ツヤは、これはもう新米の方が勝りますね^^;
精米した瞬間の香りや手触りから、新米は違うので。

◆お寿司屋さんが古米を好んで使う理由

上記の特徴を踏まえて、
お寿司屋さんが古米を好む理由を考えてみると…

  1. お米が固くなり、シャリが崩れにくい
  2. 食感が良くなるので、食べごたえが出る
  3. 粘りも少ないので、シャリの一粒一粒が際立ってくる

などの理由が考えられるかもしれません。
(他にも、お米の風味が増して、ネタとうまく調和するなどの効果もあるかもですね)

要は、

お寿司のように、使う用途に合わせてお米を選べば、
古米でも新米以上においしく食べることができる!

ということです。

◆他にもある、熟成した古米の特徴

もう一点、古米の特徴として、
「炊き増え(たきぶえ)」
という特徴が見られます。

古米は新米と比べると水の吸水率が低く、
新米よりも気持ち長めに浸水しておく必要があります。

ところが、炊飯する時(加熱時)の吸水率は逆に高く、
水分をよく吸収し、お米がとてもよく膨らみます。

例えば同じ量で2合を炊いたとしても、
古米は見た目でも解るくらいに多めに炊きあがり、
さらに、熟成されたことによる澱粉質の変化で、
米粒もしっかりしているので、食べごたえがある。

というのが古米の特徴の「炊き増え」です。

◆7年熟成のイタリア米は炊き増えが狙い

イタリアの7年物のお米。イタリアでは米を熟成させて食べるようです。
イタリアはヨーロッパ最大の米の産地でもあります。

ここで、最初に紹介したイタリア産のカルナローリに話を戻すと、
イタリアではお米は主に、リゾットとして食されているようです。

自分は料理はできないので詳しくはないのですが…

リゾットは基本的には、お米を「炊く」のではなく、
最初に野菜などと一緒にお米を「炒め」た後に、
味の付いたブイヨンなどを加えて「煮る」料理(…のはず^^;)です。

古米は生米のままでは吸水率が悪いので、
お米を野菜などと炒めて、風味を移しつつ、加熱しながら吸水率を上げて、
そこにブイヨンなどのスープを加えて、たっぷりお米にブイヨンを吸わせる。

たっぷり吸わせても、熟成されたお米はお米の粒が崩れにくいので、
米粒の食感まで味わうことができる。(イタリア人好みのアルデンテですね)

その為には、新米よりも熟成された古米の方が都合が良い訳です。

◆古米を選ぶ時の注意点

このような特徴がある古米ですが、どんな古米でも良い訳ではありません。

高温多湿の日本の気候で、保管状況の悪い状態のお米は劣化が酷く、
酷い物だと、お米に虫がわいていたり、カビが生えて灰色がかっていたり、
ということもあります。(精米依頼でお客様が持ち込むお米で、割とよくあります)

年間を通して、しっかりと玄米用の低温倉庫で保管された物でないと、
一般的なイメージ通り、「古米=美味しくない」となるでしょう。
なので、古米を買う時にはスーパー等は避け、
米屋などの専門店や農家さんで、かつ、
低温倉庫で保管をしている所で買う。

というのが絶対条件です。

◆尾形米穀店の低温倉庫と低温熟成米

尾形米穀店でも、敷地内に低温倉庫を備えていますが、
設備は小規模なので、入りきらない所は農家さんの低温倉庫や、
山形市内で契約している超大型の低温倉庫で保管してもらっています。

低温倉庫でお米の品質を維持しながら、熟成させます
尾形米穀店の敷地内にある玄米用低温倉庫

ちなみに、尾形米穀店のネットショップの方で出している、
低温熟成米の平成26年産特別栽培米夢ごこちは、
契約している大型倉庫にずっと保管を依頼し、
その後、↑の自前の低温倉庫で保管している物です。

他にも26年産のお米もごく僅かに低温倉庫に残っているのですが、
ずっと低温倉庫に置いていた訳ではないので、
そちらは自家用で試してみたいなと考えています。

◆用途に合わせて選ぶと、お米は楽しい

今日は長くなりましたが…まとめると、

新米には新米の魅力があり、
低温倉庫でしっかり管理された古米(熟成米)には、
古米(熟成米)ならではの魅力があります。

お米を使う料理や用途に合わせてお米を選ぶと、
お米の楽しみ方の幅が広がります。

特にこの9月~10月の時期は、
新米も選べるし、1年物の熟成米も選べるしで、
最も選択肢が増える時期なので、
ぜひ、色んなお米を試してみて頂けたらな~と思います^^

 

p.s

◆mizizi / Wee の交流祭

昨日、一緒に山形なごなごを発行・執筆している、
mizizi / Wee のお客様交流祭に参加してきました。

_mg_4483
いつも明るく元気なmiziziの奥山てっちゃん

詳細はてっちゃん初め、miziziの執筆陣にお任せするとして…^^

尾形米穀店でも協賛という形でお米を提供させて頂いて、
つや姫とササニシキの食べ比べをしてもらったり、
芋煮に合うお米はどっち?などの料理に合うお米を体感して頂いたりなど、
肝心なお米を食べている写真を撮り忘れてはきたのですが(笑)
個人的にもとても楽しいイベントでしたよ^^

_mg_4474
各種食材にもこだわり、「食と健康」もテーマになっていた交流祭。

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山形米の専門店 尾形米穀店

〒990-0057
山形県山形市宮町4-24-3
TEL : 023-622-4243
FAX : 023-622-4244
E-mail : [email protected]
HP : https://www.ogatabeikoku.com/
Facebookページ : http://www.facebook.com/ogatabeikoku
営業時間 : 10:00-19:00
定休日 : 木曜・日曜・祝日
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