「からっぽ」懸念

山形米の専門店 尾形米穀店
三ツ星お米マイスターの尾形雄司です。

先週末、また、大蔵村に仕入れに行ってきました。

先月の投稿で、
恐らく28年産最後の仕入れ…と書いていたのですが、
ありがたいことに、例年以上のご注文を頂けているので、
この度、追加の仕入れとなりました^^
(お客様にも生産者さんにも感謝感謝です)

◆気になる29年産米の生育状況…

稲の花
8月は稲の花が咲き、稲穂が出始める(出穂)時期

東京では8月に入ってから19日連続での降雨を観測だったり、
お隣の宮城県では8月の日照時間が20時間も無かったりと、
夏はどこにいった!?という感じの今年の8月…

山形も、時折、太陽が顔を出し、気温が上がる日はあるものの、
やはり例年と比べると、相当涼しい夏になっています。

こうなってくると心配なのが、
今年の稲の生育状況です。

各地の農家さんの所に行く度に、
生育状況を伺っていますが、
今年は4月~6月も比較的低温だったので、
全体的に成長が遅いという話ばかり…

で、今回の大蔵村の農家さんに話を聞いてみても、
やはり、「生育は遅れている」という回答でした。

◆「からっぽ」の懸念

「天気は悪くても、気温はそこそこ上がっていたから、
ここまでの生育はまぁ悪くはないんだけど、
 出穗(しゅっすい)してからがね…

日照時間が短いと、稲穂が実り切らなくて、
“”からっぽ(空っ穂)””が増えるかもしれない。
前に一度、そんな年があった。平成5年かな…

これからの天候次第だけど…
おそらく、新米の収穫は遅れると思います。」

生産者さんの話をまとめるとこんな感じで、
「からっぽ」の懸念をされていました。

◆大冷害にならないよう、願うばかり…

地域差もあるとは思いますが、
山形では8月が出穂(稲が穂を出すこと)の時期です。

穂を出してから収穫までの目安として、
一日の平均気温を足していき、
積算で一定の温度に達したら収穫する。
「積算温度」という、一種の基準です。

日照時間が短いと気温が上がらず、
10月の収穫期になっても一定の積算温度に達せず、
穂が実り切らなくて、空の穗が増える…

という状態が「からっぽ」だそうです。
今年はその懸念があるとのこと。

そして、平成5年(1993年)といえば、
大冷害による凶作の年で、タイ米やカリフォルニア米などの
海外のお米が輸入された、あの年です。
(自分もタイ米を食べたのを覚えています)

タイ米
タイ米も食べ方次第では美味しいけど…できれば、輸入しなくても済むように…

天候ばかりはどうしようもないのですが、
これからの天候の回復を期待して、
大冷害にならないように、願うばかりです。

今後も、新米までの生育状況に関して、
何か情報が入ったら、逐次、ご案内していきますね。

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