山形米の専門店 尾形米穀店
三ツ星お米マイスターの尾形雄司です。
先日、Amazonで玄米をご注文頂いたお客様から、
このようなクレームを頂きました。
「味うんぬんより、よくこんな米を販売する気になったもんだなと逆に関心します。
ほとんどの米が緑色に変色していて食べる気がしません。
いくら去年の天候が悪かったからとは言え、
一般常識的には普通は選抜して出荷するものなんじゃないんですかね。あきれます。」
このお客様からご指摘頂いた緑色の粒は、
↓の画像のような感じの玄米です。
この緑色の玄米。
当店とお付き合いのあるプロフェッショナルな農家さんの大半が、
この緑色の粒をあえて残すように収穫・選別しています。
何故でしょうか?
◆熟しきる直前の玄米・生き青(いきあお)
この緑色の粒は、通称「生き青」と呼ばれているもので、
平たく言えば、茶色く熟しきる直前の玄米です。
「生き青」は通常の茶色い玄米よりも甘みが強く、
特に新米の時期は、炊飯した時に瑞々しい香りも付くので、
プロの農家さんたちは口を揃えてこう言います。
「生き青が少し入っている方が、美味い」
◆「生き青」のデメリット
少し入っている方がお米が美味しくなると
農家さんの間で幅広く言われている「生き青」ですが、
入っていることでのデメリットもあります。
それは、今回のクレームでも頂いたような見た目の問題です。
まず、お米の等級検査では見た目が重要となるので、
緑色の粒が多すぎると、一等米の評価がでない可能性が高まります。
また、白米に精米すると全く気にならない(※)のですが、
(※茶色の玄米も生き青も精米すると白くなります)
クレームで頂いたように、玄米で食べる場合は緑色の粒が多いと、
食欲を損ねることに繋がってしまいます。
◆農家さんの意図(こだわり)を汲む
収穫の際にこの「生き青」を残すかどうかは、
生産者さんによってマチマチです。
しっかり熟させて「生き青」を残さないように収穫する方もおられますし、
「生き青」が全体の稲穂の中で一定の割合になるタイミングで収穫する方もいます。
この辺りは仕入れの際に生産者さんとお話しして、
どのようなお米作りのこだわりがあるのかを伺ってくるようにしています。
この度クレームを頂いたお米の生産者さんは、
あえて緑色の粒・生き青を残すように収穫・選別をされている生産者さんで、
そのこだわりの話は何度も聞いていたので、尾形米穀店で玄米選別を掛ける際も、
その方のお米は「生き青」を取りすぎないような選別をします。
尾形米穀店としてはできるだけ、生産者さんの意図を汲んだ状態で、
お客様にお米をお届けしたい。というのが基本方針です。
◆頂戴したクレームからの反省点
この度頂戴したクレームでの反省点は、
お客様にしっかりと「生き青」のことをお伝えしていなかったな…
ということです。
- 生き青が入っている方が味が良くなること
- 緑色の粒が目立つ分、見た目はあまり良くない場合があること
- 生き青は生産者さんがこだわりを持って、あえて残していること
このようなことをしっかりお伝えしないといけないなと。
ということで、今後は玄米のご注文には、
↓このような紙↓を同封する事にしました。
クレームを真摯に受け止めて、
生産者さんのこだわりとお米のことを、
しっかりと伝える努力を怠らないようにしないといけないなと、
改めて思う次第です。
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